Google Pics の使い方 — Workspace の AI 画像エディタの手順ガイド

Google Pics は Nano Banana モデルを基盤とする Google Workspace の AI 画像エディタで、pics.new で開きます。Google Photos ではなく、カメラの思い出を保管する場所でもありません。Google はこれを、仕事・家庭・学校のプロジェクトのための制作ツールと位置づけていて、個人の写真をバックアップして整理する Photos の役割とは別物です。

仕組みは、形さえ見えれば簡単です。まず大枠の1枚を生成し、そこから先はプロンプトを書き直して当たりが出るのを待つのではなく、その1枚を部分ごとに直していきます。以下は、空のプロンプト欄からファイルをダウンロードするまでの道のり全体です。

シーン全体を生成し直す場合と、選んだオブジェクトひとつを詰めていく場合を対比した図
やり方は一行で言えます。大枠を生成し、一部分だけ直して、残りはそのままにする。

始める前に — 利用条件、端末、ファイル形式

無料プランはありません。個人アカウントでは、Pics は Google AI Pro、Google AI Ultra 5x、Google AI Ultra 20x に付いてきます。Workspace では Business Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、またはアドオンの AI Expanded Access に付きます。Business Starter は含まれません。教育機関のアカウントは Google AI Pro for Education 経由です。Google は Pics 単体の価格を発表していません。現在の Google AI プランの内訳は料金ページに、対象条件の詳細は利用条件のページにあります。

条件対象になるもの
個人向けプランGoogle AI Pro、Google AI Ultra 5x、Google AI Ultra 20x
Workspace のプランBusiness Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、AI Expanded Access アドオン
対象外Business Starter
教育機関Google AI Pro for Education
端末パソコンのブラウザのみ
ブラウザChrome、Firefox、Microsoft Edge の最新2バージョン(Edge は Windows のみ)

パソコン限定、しかも一部のブラウザだけ。 Google のヘルプセンターははっきり書いています。「Google Pics はパソコンで利用できます」 — モバイルアプリはありません。対応は Chrome、Firefox、Microsoft Edge の最新2バージョンで、Edge は Windows のみ。ほかのブラウザでは一部の機能が使えないことがあります。

パソコン限定、対応ブラウザ3種、有料プラン、4つのファイル形式、29言語を表すアイコンの並び
Google Pics はパソコン限定、有料プランが必要、4つのファイル形式に対応、29言語で動きます。

アップロードできる形式は .jpg、.png、.bmp、.tiff で、パソコンからでも Google Drive からでも取り込めます。Google Photos から直接読み込むこともできます。Pics は Workspace アカウントが使えるすべての国で利用でき、例外はドイツの個人アカウントだけ。生成と編集は29言語に対応します。展開は2026年9月1日開始の Rapid Release と2026年9月15日開始の Scheduled Release で進み、完全に表示されるまで最大15日かかります。まだ見当たらないなら、たいてい不具合ではなく順番待ちです。日付の全体は展開スケジュールにあります。

ステップ1. pics.new を開いて最初のプロンプトを書く

いちばん早い入り方はこうです。対象プランのアカウントでサインインし、docs.new で空の文書を開くのと同じようにアドレスバーに pics.new と入力し、画面下部のプロンプト欄に説明を書きます。参考画像はドラッグ、貼り付け、または「画像を追加」ボタンで添付でき、英語で作業しているときはスタイル参照も使えます。プロンプトを送信して、候補が返ってくるのを待ちます。

  1. 対象の Workspace プランまたは個人向けプランのアカウントでサインインする。
  2. ブラウザのアドレスバーに pics.new と入力する。
  3. 画面下部のプロンプト欄に説明を書く。
  4. 必要なら参考画像を添付する — ドラッグ、貼り付け、「画像を追加」のいずれかで。
  5. プロンプトを送信し、候補が読み込まれるのを待つ。

この製品は段階的に展開されているので、画面上の要素の位置やラベルはアカウントによって多少違うことがあります。上の手順は流れの形と考えてください。座標が1ピクセル単位で同じという意味ではありません。

4ステップの流れ:プロンプトを書く、候補を得る、ひとつ選ぶ、詰めていく
ひとつのプロンプトから複数の候補。いちばん近いものを選ぶほうが、もう一度引き直すより安く済みます。

生成ではなく取り込みから始める。 新しく作るのではなく既存のファイルを編集するのが目的なら、プロンプトを飛ばして、パソコン、Drive、Google Photos から元の画像をアップロードしてください。読み込んだあとは、同じオブジェクトと文字のツールが使えます。

ステップ2. Google 自身のガイドが薦めるプロンプトを書く

Google は実際に効くプロンプトの型を公開していて、これに従うのが、ほかのどんな習慣よりも生成のやり直しを減らします。

Google が公開している型

Google のプロンプトガイドは構成を示しています。被写体、動作、場所や状況、構図、スタイル。公式の例は、そっけない「猫」と「柔らかな自然光の差し込む窓辺で、丸くなって穏やかに眠るふわふわの茶トラ猫」を対比しています。後者なら Nano Banana は最初の一回で十分に手がかりを得られます。

弱いプロンプト強いプロンプト
「猫」「柔らかな自然光の差し込む窓辺で、丸くなって穏やかに眠るふわふわの茶トラ猫」
「車をなくして」「誰もいない通り」

結果を変える2つの習慣

  • 消してほしいものではなく、見たいものを説明する。「車をなくして」より「誰もいない通り」のほうがうまくいきます。モデルは打ち消しを推し量るのではなく、具体的に描くものを得られるからです。
  • 画像に描き込みたい文字は引用符で囲み、指示の残りと切り分ける。
  • 短いプロンプトから始めて候補を見て、次の回で細部を足す。最初から全部を指定しようとしない。

ステップ3. 引き直すのではなく、候補から選ぶ

Google Workspace のローンチ発表は、Pics がプロンプトに基づいて役に立つ選択肢を提示すると説明していて、個人向けの発表はもっと直接的です。

Pics はひとつのプロンプトから複数の選択肢を生成するので、さまざまなバリエーションからお気に入りを選べます。Google, Try Google Pics

この一文は、プロンプトの使い方を変えます。各候補は構図と光で判断してください。あとから直すのに手間がかかるのはこの2つです。オブジェクトが少しずれている、質感が粗いといった小さな欠点は、次のステップの編集ツールに任せます。生成のたびに利用枠が減るので、どの候補も方向性が違うなら、同じプロンプトをもう一度送って別の出目を期待するのではなく、プロンプトを書き直しましょう。

ステップ4. 全体に触れずにオブジェクトひとつを編集する

Google Pics のエディタはセグメンテーションによってオブジェクトの編集と全体の再生成を切り離すので、要素ひとつの変更でフレームの残りが組み替わることはありません。

要素ひとつを編集する

対象にカーソルを合わせてクリックし、変更内容を言葉で書き、追加を押してから適用を押します。フレームのほかの部分 — 背景、光、構図の残り — はそのままなので、承認済みのレイアウトは編集を経ても生き残り、ゼロから作り直されることはありません。

画像全体を描き直す場合と、その中のオブジェクトひとつを選ぶ場合の左右比較
チャットの画像生成と Pics を分けるのがオブジェクトセグメンテーション。ランプだけ変えて、部屋はそのまま。

領域を選ぶ

複数のオブジェクトにまたがる変更なら、クリックしてドラッグで領域を選び、ポップアップにその領域をどうしたいかを書いて、追加と適用を押します。ドキュメントで段落にコメントを付けるのと同じ感覚で、コメントが画像の一部分に付くだけです。

指摘をまとめて適用する

複数のメモをためて一度に適用できます。3つの編集を続けて別々に送るより速く、利用枠にも優しい方法です。セグメンテーションについては機能の詳細でさらに掘り下げています。

ステップ5. 画像の中の文字を変える、翻訳する

Pics は画像の中にすでに描かれている文字を自分で読み取ります。手で指定する必要はありません。

その場で文言を直す

Google のヘルプ ドキュメントには、Pics が画像内の文字を自動的に検出すると書かれています。文字にカーソルを合わせてクリックし、差し替える文言を入力するか、ほしいスタイルを説明して、保存適用を押します。日付、価格、製品名の誤りは、元のレイアウトを作った人に頼み直さなくても、画像の中で直接直せます。

承認済みのレイアウトをそのまま各言語へ

同じ検出の仕組みで、周りのデザインに触れずに画像内の文字を翻訳できます。フォントも字間もそのままで、変わるのは文言だけ。Pics が生成と編集で対応する29言語すべてで使えます。同じバナーを複数の市場に出すチームにとって、これはエディタ全体でいちばん手早い成果です。承認済みのデザインひとつに、複数の言語版。

ステップ6. 切り抜き、アップスケール、ダウンロード、共有

画像の中身が固まったら、あとは仕上げの道具の出番です。切り抜きとアスペクト比は Google の編集ガイドに、その先のすべては画像のダウンロード・印刷・共有のガイドにあります。プルダウンのアスペクト比にはおなじみの 16:9、1:1、4:3 が並びます。

やること場所
切り抜き上部の切り抜き — 角をドラッグして切り抜き、下部のダイヤルをドラッグして回転、プルダウンからアスペクト比を選択
ダウンロード右上のダウンロードアイコン — オリジナル、2K JPEG、4K JPEG から選択(JPEG のみ)
印刷左上の下向き矢印アイコンから印刷
共有右上の共有アイコン — 権限を閲覧者か編集者に設定して送信

切り抜きは最初ではなく最後に

ステップ4のオブジェクト編集より前に切り抜くと、あとの修正で必要になるかもしれない画素を捨てることになります。切り抜きは中身が固まってから。

仕上げの4ステップ:切り抜き、アップスケール、オリジナル/2K/4K でダウンロード、共有
仕上げは順番どおりに。切り抜き、アップスケール、ダウンロード。解像度が高いほど枠は早く減ります。

解像度は意識して選ぶ

4K は実際に印刷やプロジェクター投影に回す画像のために取っておきましょう。Google のドキュメントには、高解像度でのダウンロードはオリジナルサイズのままより利用枠を早く消費すると書かれています。Workspace Experiments の中では、何を選んでもダウンロードはオリジナルサイズに制限されます。

Google ドキュメントとスライドの中で画像を編集する

編集のために Google ドキュメントやスライドを離れる必要はありません。エディタは文書の中で開きます

どちらのアプリでも同じ3ステップ

  1. ファイルを開き、変えたい画像をクリックする。
  2. 「画像を編集」をクリックする。Pics エディタがドキュメントやスライドの中で開きます。「最小化」と「エディタを開く」で、作業位置を見失わずにたたんだり戻したりできます。
  3. 終わったら右上の「画像を置き換え」をクリックして、結果を文書に戻します。

画像をクリックしてもフルのエディタではなく通常の下部プロンプト欄が開く場合、それは不具合ではなく、そのアカウントにまだ Pics の利用権がないということです。スライドでも手順はドキュメントと同じ3つです。スイート全体での使い方は Workspace 連携ガイドで、文書に特化した話は Docs での手順で詳しく扱っています。

Drive、共有、バージョン履歴

Pics で作ったファイルは、ほかの Workspace のオブジェクトと同じように Google Drive に置かれます。新規作成は Drive の「+ 新規」メニューからもできます。ドキュメントに人を招くのと同じように同僚を同じファイルに招待でき、バージョン履歴が画像の以前の状態を保っているので、変更が思わぬ方向に行っても巻き戻せます。

Pics を中心に Docs、Slides、Drive、web アプリをつないだ図
同じファイルに4つの道でたどり着けます。web、Docs、Slides、そして Drive。

時間と利用枠を節約する習慣

Google は生成 AI の利用上限の正確な数字を公表しておらず、公表しているのは、高解像度でのダウンロードが枠を早く消費すること、そして Google Workspace Updates によれば現在の拡大利用が少なくとも2027年2月28日まで続き、縮小の前には告知が約束されていること、だけです。スライドの中で画像を編集するなど、Workspace のほかの画面から Pics を使う場合も、pics.new で直接使うのと同じ生成上限を消費します。

  • ほとんど同じ生成を繰り返すのではなく、よく練ったプロンプトを1回送る。
  • 編集のメモをためて、まとめて一度に適用する。
  • バリエーションを作るのが目的なら、新しいプロンプトではなく既存の素材を取り込む。
  • アップスケールはいちばん最後に、実際に印刷や投影をするものだけに使う。
  • 作業ファイルは Drive に置き、編集を失敗してもバージョン履歴で戻れるようにする。

Pics のエディタは、巧妙なプロンプトよりもこうした節度に報います。利用枠の大半は、的確なオブジェクト編集なら無料で済んだはずの再生成に消えていくのです。

Pics と Google Photos の違い

名前が似ているせいでこのガイドを探している人の多くがつまずくので、はっきり書いておきます。Google は Pics を、仕事・家庭・学校のプロジェクト向けに画像を作って編集する、Workspace の中の制作ツールと位置づけています。Google Photos の役割は別で、個人の写真をバックアップし、整理し、検索する場所です。一方は画像を作り、直すための作業台。もう一方は、すでに撮った写真のための書庫です。より詳しい項目ごとの比較で2つの製品を並べています。そしてここが Google Pics の AI 画像エディタがその名にふさわしいところでもあります。生成もオブジェクト編集も、Photos には対応するものが存在しないからです。

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